昔のブログのエントリ

昔遊びでブログやってたときのエントリ。
今日はマクロの宿題で起きていて、このアルバムを聞いています。
僕は個人的にaikoの曲が好きなので、こんなん書いてました。
いちおうアップしておきます。

夢の中のまっすぐな道(SACDハイブリット盤)

夢の中のまっすぐな道(SACDハイブリット盤)

3月2日、シンガーソングライター、『aiko』による、6th ALBUM、『夢の中のまっすぐな道』がリリース。

インディーズ時代に、3枚のalbumをリリース。
メジャーデビューし、『小さな丸い好日』を皮切りに、『桜の木の下』でオリコンでヒット。初登場1位。

本格派、女性シンガーソングライターとしてのポジションを獲得。続いて『夏服』、『秋そばにいるよ』、『暁のラブレター』(本人曰く、冬の文字をいれて、締めるのはベタだろう。ということで、このようなタイトルに・・・・)をリリース。
春夏秋冬そして・・・夢、彼女、と続くわけですが。
彼女のオートポイエシスなアルバム展開を期待しているのは僕だけではないでしょう。

aikoは地元、「大阪」を中心とする関西地区。また、彼女自身がパーソナリティを勤めていたAMやFMラジオの放送活動を通して、等身大な感情表現「どこにでもいる女の子」としてのミュージシャンとして、方言を交え、テンポよく、歯切れのよい、親しみ易い『トーク』で老若男女問わないティーンを中心とした絶大な支持を得る。

aikoが歌うのは歌謡曲である。つまり、大衆的歌曲であり、西洋の流行歌曲のリズムや形式を応用し日本のトラディショナルな旋律・情感を合わせた流行歌である。

aikoは歌謡曲シンガーであると位置づければ、彼女は今の日本の女性シンガーソングライターとして、一際、シーンを賑わしている存在である事は疑いがない。

aikoが歌う歌詞世界は大別すれば・・・・・・・

〓、愛、恋愛を、コア(核)、モチーフ(表現の動機の中心思想)とした楽曲。
詳細すれば、それらの『実存的経験』や、少女的な『妄想』を源にしている。

〓、空や、大気(風や温度)、季節を明確にする、季語ともいえる語句を多様し、即自(感じる自分)と、シンクロさせるように(やや、比喩的)して歌うもの。

〓、『ピンチはチャンス』的な、自身に意識している事。また、他人にエール(応援歌)となるような楽曲。

割合としては、〓が多い。〓〜〓までは、大体にして、他人にとって、「入れ替え可能」、つまり、あるある的、分かる分かる的素材になり「流動的」になるのが普通である。

消費音楽として次々と量産される種のものである。

彼女の曲もある種その部分もあるが、他のアーティストと異とするのは、曲のタイトルや、モチーフや、比喩表現が、パターン的な出力でない所にある。

パターンにしない、というのは意外性ということを包含している。
一般的なパタンというだけであって、これはaiko独自のパタンということである。
ここには他のアーティストとアイデンティファイできる要素の元がなかなか見つからない、ということを指している。

ベタではない。わざとらしくない。意図的にも感じない。
また、表現はいたって平易。難解な言葉は一切なく、誰にでも容易に思い浮かべられる表現である。

であるが、皆が皆そういいった表現をしない。とても意外性を感じさせられる。

aikoの曲の旋律は、初期のような、ゴツゴツとしたアップテンポな曲も良質だが、彼女がフェイバリットである、キャロルキングや、ジェイムズ・テイラー、スティービィー・ワンダーのような、一定のリズムを保った、全体的にゆったりとした楽曲構成。
リズムは一定。声や、細かい歌唱方法で情感をまとわせ、聞いているものの体温を上げるような、暖かいメロディーが特徴的である。

今回のALBUMはどうであろうか・・・・

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■M1、『青い光』。このALBUMのスタートにふさわしい、このALBUMの中で、一際目立つ、スケールの大きい曲。『空を見たのは、別に初めての訳じゃないのに・・儚くて』、『長い月日を僕が強く生きて・・・出逢いたい。』、『誰も知らない・・・優しさも』。
日常、見たり感じたりする事。初めてじゃあないのに、いつも以上に感じる。
人の心は常に「流動的」だ。一定じゃあない。その気持ちは切ない、儚い。それが終わりになるようなネガティブだと思われる事であっても、僕はたくさん感じていたい。そんな君に出逢いたい。
aikoらしい、ネガティブと思われる事を、飛躍的なポジティビティにする。
空を見ることで、スケールが大きく、抱擁力のある歌だ。

■M2、『恋人同士』。カップリング『猫』と類似する雰囲気の楽曲。
女性の力強さを感じる曲。人間、それぞれ「体温」が違う、想えば想うほど空回りして、不都合な心。人間関係なんて、とても滑稽でおかしいもんだ。処方箋なんか単純なものよ。と

■M3、『エナジー』。 「足りない表現力の代わりに、痛いほどからみつく。」特別に伝えようとするが、伝える方法が分からない。でも、あなたはそばにいてくれる。人は人の愛を自然に素直に感じる事が出来るのだ。

■M4、『明日もいつも通りに』。時が経って知った。何気ない毎日でも、そんな「つまらない」毎日の中で生まれたものこそが、心に残るのだ。いつも通りの中から・・・

■M5、『かばん』。人の気持ちは、心のかばんにたくさんつめこんでいるのだ。として、かばんを用いる。私は、そのかばんにたくさんつまっている方がいい。なかなか吐き出せないものだけど、想いを稠密にすることが出来る。そんな思いは、いつか、泣きながら、笑いながら話せる。

■M7、『ビードロの夜』。最高と最悪を一度に想い描きどうにかなってしまう。人はそんな、切ない、儚い、想像をすぐしてしまう。まるで、美しいけれど、すぐ壊れてしまう、ビードロ(ガラス)のように・・・

■M8、『愛のしぐさ』。愛情表現。しぐさは伝わりにくい。解ってても、知っていても。葛藤ソング。『エナジー』と似た、世界感だ。

■M9、『ずっと近くに』。恋人同士の物語的な歌詞。少し、寒い風が心地いいほど、愛情のポテンシャルが高い人間同士は暖かい。近づけば近づくほど、お互い漸近して、あったかくなる。
愛を大切に思っている人だけが、書ける歌詞だ。

■M10、『smooch!』。唯一の英語タイトル。途中、口笛も入る。スパイス的な楽曲。これまでの歌詞世界と類似しているが、「寂しいでしょ?」「心温かくなるでしょ?」「そこを逃すな!」「おもっちゃダメ!」「すぐに話そう!」とか、支配欲もある女性の姿が想像できる。それだけ、自分から、愛したいという事。『smooch!』だ。

■M11、『花風』。文学的なタイトル。告白、失恋。聴く人に解釈が左右される曲。どんなシーンでも、花は盛る。花風は吹く。

■M12、『三国駅』。過去を回想して、単純に懐かしんでいるのではない。過去をうらやむ気持ちよりも、その過去を生きて、力強く、現在、未来と突き進もうとする私。過去を一生懸命生きてきた自分が、「過去のあなたが見て、今の私は誇りに思えますか?」と、問う。
それが問えるからこそ、今が充実している証なのだ、と。昔より今が充実している人しか歌えない。積極的な過去の回想の好例。

■M13、『星物語』。『暁のラブレター』と酷似する締めではあるが、自身の過去からの生き方を振り返った、私はこう生きて、こういう人間になった。という、自分がはっきり感じられる曲。
「入れ替え不能」的な、aikoの歴史を感じる事ができる。「星」ひとつが欠けても私ではない。そんな物語を作りたい。

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彼女自身、『夢』という言葉をつかい、原義は「切ない」「貴い」「儚い」という、とらえどころで、ネガティブともとれてしまう言葉で締めくくった。

しかし、aikoの圧倒的なポジティビティがすべての重力を和らげるような感じだ。
それが、あるから生きられると。

今回のALBUMは、そのような雰囲気の一貫した曲を配列することによって、聴く人にとっての夢への肯定に繋がるような出来映えである。

これは、1つの歌謡曲として、ある種の部分で達成していることだろうと感じる一枚でした。

ちょっと大げさに書いてますね(笑)
かなり文章へたくそな自分に笑っております。
どんまい。
これから頑張ります。
というか、はやく宿題やろっと。